こんにちは、菊山ひじりです。
私が小さい頃住んでいた家には、カンナの花が植えてありました。
横一列に並んだ4~5本のカンナは、黄色に赤い斑点のついているもので、毎年大きな花を咲かせては、家の象徴のような存在でした。
今でも、子供の頃のことを思い出すと、そこには必ずカンナの風景があります。
カンナは私にとって、居場所の象徴ともいえるかもしれません。
カンナの花は、東京ではなかなか普段見ることがありません。
株が大きく、ちょっと鉢植えというわけにもいきませんから、土地のない東京では植える人も少ないのでしょう。
最近のガーデニングブームでも、カンナは本に紹介されることもほとんど無いようです。
ニョキッと大きいカンナは、今時はあんまり人気がないのかもしれませんね。
ですから、私も自分の家以外のところで、カンナが咲いているのを見たことって、なかったんです。
マリに行くまでは。。。
初めてマリに行ったのは6月後半、雨季の始まりでした。
サハラ砂漠を眺めながら、飛行機でパリから6時間ほど。
やっと到着したマリの首都バマコは、当時は3階建て以上のビルがほとんどない、田舎町のような所でした。
道路も舗装されているのはごく一部で、それさえでこぼこ。。。
暑い風が吹く中、迎えに来てくれた勤務先NGOの四駆に乗って、埃まみれの道を事務所兼宿舎へ連れられていきました。
長旅で身体は疲れていましたが、頭は新しい環境に興奮していて、何だかとっても緊張状態。。。
宿舎に到着して門を入ると、そこには緑溢れる小さな中庭がありました。
さすが外国人住宅、町中とは大違いの、ホッとする美しい空間です。
目の前には濃いピンクの花を沢山つけたブーゲンビリアが茂り、名前の知らない木が数本植えられていました。
その中庭の一番端っこに目をやったとき、鮮やかな色合いにハッとしました。
なんとそこには、真っ赤なカンナが6本ほど、横一列に植えられていたのです!
一気に子供の頃の思い出が蘇ってきました。
生まれた時は天然パーマだったこと。
肌の色が何となく小麦色で、皆に「クロちゃん」と呼ばれていたこと。
そして、何度か見ていたアフリカの夢の風景が、マリそっくりなことも思い出しました。
あ~、ここは私にとって、とても意味がある場所に違いない。。。
そんな確信がありました。
そしてその後、その確信どおり、マリでは沢山の経験をして、沢山のソウルメイトとの出会いもして、深く心に残る場所となったのでした。
その時から今まで、その場所以外でカンナの花を見たことはありません。
私にとっては、とっても意味のある花なんですね。
次に私がカンナが植えられているのを見つけるのは、どこでしょうか。。。
ちょっぴり楽しみです。