こんにちは、菊山ひじりです。
今日子供と荻窪周辺をブラブラ歩いていましたら、双子の赤ちゃんがツインのベビーカーに乗ってお散歩中でした♪
それを見ていたら、思わずマリ共和国に住んでいたときのことが思い出されてきました。
マリでは、双子は「幸運の象徴」として、とても喜ばれます。
双子が生まれたりすると、それはもう、と~っても幸運で名誉なこと!
家族だけでなく、友人知人もこぞってお祝いしてくれます。
そして、それだけではないんです!
バスに乗ったときに双子を連れたお母さんがいると、何と!周りにいる見ず知らずの人達が、小銭を差し出すんですよ!
そして双子のお母さんは、ウンウンとうなずきながら、当然のようにそのお金を受け取るのです。
最初見たときは「な、何事?」とちょっとビックリしましたっけ(^^;)。。。
マリ人の友達によると、これは昔からの習慣で、双子の幸運にあやかる為にお金をあげるのだそうです。
つまり、お賽銭のようなものなんですね♪
そのくらい、双子というのは社会的に認められた「幸運の象徴」なのです。
さて、そんなマリは、ご存知の通り世界の最貧国の一つ。
当然街には物乞いが沢山います。
まるで煮しめたような色合いの擦り切れた服をきた物乞い達が、それぞれのテリトリーを持って、街を歩く人々に声をかけて生計を立てています。
とはいえ、元々が最貧国ですから、なかなかお金を集めるのは簡単ではありません。
で、ここで登場するのが、レンタル双子なんですね♪
実はこの物乞いの中には、双子の幼児を連れたお母さんらしき人がチラホラいるんです。
もちろん双子がいますので集金率は上々で、ゴザの上に置かれた空き缶には、それなりのお金が貯まっています。
ところがこの双子、必ずしも本当の子供じゃないんです。。。
レンタルなんだそうです。。。(^^;)
レンタル料は、私がマリにいた10年前で1日500CFA(セーファーフラン)、およそ100円でした。
これって、マリの物価から言うと、なかなかの金額なんですよ!!
だって500CFAあれば、1家族が何とか1日食べられる金額ですから。。。
でもその金額を払ってもレンタルするということは、双子連れの物乞いは、双子無しの場合と比べて、かなり割がいいということなんですね。
マリは大多数がイスラム教徒の国ですから、お金を持っている人は持っていない人に分け与えるのが美徳です。
同じものを買うにしても、お金持ちの人が買う金額と、貧しい人が払う金額は違うのが当たり前というお国柄。
ですから、双子を連れた物乞いには、きっとみんな気前良くお金をくれるのでしょう。
そしてこの双子達、決してぼ~っとしているわけではありません。
空き缶を手に、通り過ぎる人達に、あどけない笑顔とヨチヨチ歩きで近寄っては、ちゃ~んとその存在をアピール。。。
あの幼さにして、すでにプロなんですね。。。
幸運の象徴である双子が、赤ちゃんの時から物乞いって。。。う~ん。。。(-_-;)
双子達をみながら、私はいつも何とも言えない複雑な心境でしたっけ。。。
マリの人達は、そういう現実が当たり前と思っているので、淡々としていましたけどね。。。
少なくとも、収入を当てにしている双子の家族にとっては、双子は確かに幸運の象徴かも。。。
というわけで、久々にアフリカの思い出話でした♪